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【化物語】第5話 感想|迷子の件、解決です

アニメ『化物語』第4話です。

 

アニメ『化物語』第5話|あらすじ・感想

八九寺は空腹を訴えた。
阿良々木は絶句するが、戦場ヶ原が戻ったら何か食いに行こうと答え、八九寺の食べたいものを問うた。
彼女は食べ物なら何でも、と答え、意地悪そうに阿良々木の指も美味しかったと囁いた。
少なからず阿良々木の血肉を口にしている八九寺のその発言は、阿良々木にとってシャレにならないモノだった。

母親に会いたいと願う八九寺と、母親に近づきがたい阿良々木。
八九寺は、親と離れる時が来れば阿良々木も親に会いたいと思う時が来ると言う。

阿良々木の口振りから、あまり両親を好いている様子ではないと、八九寺は呟いた。
阿良々木は、そうではないと応えた。
中学までは模範的な子供だった阿良々木は、高校で学業についていけなくなりその反動で気まずさを感じていたのだ。

そんな事だから、いつまでたっても大人になれない子供のまま――。
妹から突きつけられた言葉が、再び脳裏を掠めた。
私と同じ、と囁く八九寺に、阿良々木は意味合いが違うと答えた。

身体ばかり大きくなって心は子供のまま――。
呟く阿良々木に、八九寺は不敵にアピールをした。
クラスの中では発育が良い方だ、と豪語する彼女に、阿良々木は取っ組み合いをした際に掴んだ胸の感触を思い出す。

ファーストタッチを奪われたと嘆く八九寺に阿良々木の頭の中は疑問符で埋め尽くされる。
お小遣いで気を逸らそうとする阿良々木だったが、今回ばかりは八九寺には通用しなかった。
噛みつこうとする彼女を必死に抑える阿良々木。
膠着状態に業を煮やし、阿良々木は八九寺と再び取っ組み合いになったのだった。

取っ組み合いを終えて、八九寺は傷だらけの阿良々木に謝罪をする。
もっとも、その傷はたちどころに塞がってしまっていた。
こういった喧嘩は、お互いになれている様だ。
喧嘩はどちらかが謝れば終わりなんだが、阿良々木の表情が曇る。

今朝の妹との口論をどう解決するか考えあぐねていた阿良々木に、八九寺も両親の喧嘩について告白する。
周りからは仲のいい夫婦と呼ばれていたが、八九寺自身は喧嘩をする両親しか覚えていない。
離婚をしてもなお、自分は両親のことが好きだと八九寺は呟く。

しかし、父は母を嫌いになり八九寺を母親と合わせようとしなくなった。
八九寺はいつか母親を忘れてしまうのでは、と苦悩する。
いつか自分も、母を嫌いになるのではと言う不安が広がってゆく。

忍野の元から、戦場ヶ原が戻ってきた。
彼女は戻ってくるなり羽川の匂いがすると言い当てる。
早速忍野からの伝言を聞き出そうとする阿良々木に、戦場ヶ原は謝らなければならないことがあると告げた。

一つの事象を二つの視点からとらえた際、その結果が全く異なるものだった時どちらが正しいのかを確認するすべはない。
しかし自分の視点が間違っていると早々に決めつけるのも、同じくらいに間違っている。
忍野の言葉だった。
それを噛み締めるように、戦場ヶ原は呟いた。

まよい牛から解放される方法はいたってシンプル。
付いてゆくから迷うのだ。
阿良々木がカタツムリから離れれば済む話なのだ。

戦場ヶ原は謝罪と共に、八九寺が見えていないと告げる。
事実、彼女が指さした方向には八九寺は立っていなかった。

両親が離婚し、母親から引き離された八九寺。
ある時自分の記憶の中から母親の顔が薄れてゆくことを自覚し不安に苛まれる。
その年の母の日に、彼女は母に会いに行くことを決意した。
しかし――会えなかった。
信号は確かに青だったのに、彼女は車にはねられた。

目的地にたどり着けない者の想いが、他者の帰り道を阻害する。
巡り巡る巡礼、八九寺。
戦場ヶ原に見えていたのは、一人芝居を打つように見えた阿良々木だった。

過去の体験から、戦場ヶ原はそれを言い出せずにいた。
観点の相違があると真っ先に自分が間違っていると思い込んだからだ。
だから、彼女は阿良々木の話に合わせていたのだった。
見えない八九寺を、見えているふりをしていたのだった。

忍野が言うには、まよい牛に出会う条件は家に帰りたくないという想いだそうだ。
まよい牛はそれほど悪質な怪異でもない。だから、まよい牛から離れればいいだけ――。
しかし、阿良々木の求めていた答えは違っていた。

戦場ヶ原は阿良々木を説得する。
八九寺まよいと言う少女はここにはいない。
もう死んでいる。
怪異に取りつかれたのではない。怪異そのものだと。

八九寺は出会い頭に相手を拒絶していた。
怪異に巻き込んでしまうと自覚していたからだ。
そして、そうしなければならない理由も、違う形ではあるものの阿良々木と戦場ヶ原は経験している。
八九寺を母親の元へ送り届けることが、僕の役目だ――と阿良々木は言った。

戦場ヶ原は観念したように言葉を紡ぐ。
彼女の怪異が阿良々木にバレた時、すぐに対処した阿良々木。
彼女の怪異に気付いたものは何人もいたが、阿良々木のように振舞うものは阿良々木一人だけだったのだ。
彼女は忍野の最後の伝言を、阿良々木に告げた。

忍野曰く、今回に限り使える裏技を実践しに、戦場ヶ原は2人を促す。
そして、彼女は阿良々木に向き直り愛の告白をする。
八九寺はいたたまれず、一言おめでとうございます、と呟いた。

まよい牛の怪異の特性が幽霊だとすれば、情報の蓄積はされない。
知識が蓄えられないという事だ。
区画整理で変わった道をたどり、怪異の影響を避けて、3人は綱手の家を目指す。

ほどなくして、目的の住所へとたどり着いた。
そこはすでに、更地になっていた。
少なくとも2人には、そう映っていた。

八九寺が嗚咽を漏らす。
彼女は走り出し、光の中へと消えた。

残された二人。
戦場ヶ原は阿良々木を労う。
そして、まだもらっていない返事を催促した。

阿良々木は恩返しの一環かと切り返すが、その恩返しも、阿良々木の方から告白させるための戦略だった。
今、逆に戦場ヶ原からの熱い告白を受けている。
阿良々木は彼女に、一つだけ約束を提示した。
もしも意見が食い違ったら、その時はきちんと話し合おう――。

その場から立ち去ろうとする阿良々木の腕を、戦場ヶ原がとっさに掴む。
中途半端に濁されるのは嫌らしい。
彼女は言葉を求めた。
阿良々木は、一言呟く。
流行ると良いな、戦場ヶ原『蕩』――。

いつもの様に妹たちは阿良々木を叩き起こす。
来年の母の日は家で過ごすことを約束に、彼女らの怒りは解けた様だ。
家から飛び出し、マウンテンバイクを漕ぎ出す阿良々木。

そして、消えたはずの彼女と出くわした。
彼女はいつもの様に阿良々木の名前を噛む。
どうやら地縛霊から浮遊礼に昇格した様だ。
八九寺は見かけたら声をかけてくださいねと、阿良々木に微笑んだ。

 

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【化物語】第4話 感想|羽川にも見えてる?

アニメ『化物語』第4話です。

 

アニメ『化物語』第4話|あらすじ・感想

電話の向こうの忍野は気怠そうに答えた。
まよい牛――。
人を迷わせる怪異は数あれど、カタツムリだということからまよい牛で間違いないという事だった。

戦場ヶ原の記憶を頼りに、3人は道を歩く。
彼女が立ち止まると、この辺り、と一言呟いた。
そこは――、ただの道だった。
彼女曰く、区画整備により道になったという。

再び先を急ぐ3人。
八九寺は阿良々木にぴったりくっついて離れない。
何も好きでくっついているわけではない、と言う八九寺を、阿良々木は無理やり引きはがそうとする。
しかし八九寺は駄々をこねてPTAに訴える、と喚きだした。

ところで――。
阿良々木はPTAの正式名称を八九寺に尋ねた。
しどろもどろになる八九寺の代わりに、先を行く戦場ヶ原がすかさず答えた。
parent teacher association――。
経皮経管的血管形固成術という医学用語もあるそうだ。

時に、八九寺の持っていたメモの住所には何があるのか。
尋ねる阿良々木に、八九寺は黙秘権を行使した。
こういう時は誰かに頼るものだと阿良々木は言って聞かせたが、八九寺は自分の主張を曲げない。

自分の力で何とかできる。八九寺はそう言った。
自分にとってこれは、日常自販機なんです――!
自信たっぷりな八九寺の発言に、阿良々木は冷めた表情で定価販売なんだな、と答えた。

自らがへりくだって尋ねる話術も、妹たちには効果が絶大なのに八九寺には効かない。
そこまでバカではないという事か。
阿良々木は金銭をちらつかせ、八九寺を釣った。
大きな釣り針に目を輝かせ、いとも簡単に食いついた彼女は、正真正銘バカな子だった。

その住所には、綱手という親戚が住んでいると八九寺は言った。
母の日位、うちで親孝行すれば、という阿良々木の脳裏に妹の叱責がちらつく。
八九寺からも、案の定言い返されてしまった。

日曜の朝から公園でぼーっとしていた阿良々木を、まともではないと言い放つ八九寺に、ツーリングをしていたという阿良々木。
ツーリングのスペルを面白い方向に勘違いしている所はやはり小学生だ。

区画整備されたとはいえ、道のりはかなり複雑だった。
よくこんなところまで一人で来ようと思ったと、阿良々木は八九寺に言った。
初めてじゃないから、と応える八九寺に、阿良々木はさらに疑問を投げかける。
彼女は答えにくそうにしていたが、久しぶりだから、と小さく呟いた。

八九寺と戯れる阿良々木より先に、戦場ヶ原は道を進む。
しかし、ふと立ち止まり彼に再び住所を伺った。
彼女は行き過ぎた、と元来た道を引き返し始める。

八九寺が怯えていたのは戦場ヶ原に対してだった。
自分に対する敵意を感じると、八九寺は言った。
そこで阿良々木は、戦場ヶ原に子供は嫌いかと尋ねる。

彼女ははっきりと言った。
嫌い、大嫌い――。
それから彼女は過去に子供とぶつかった際の体験を告白した。
以来、子供に対して憎しみをもって接するよう心掛けている、という事だった。

戦場ヶ原はまたも道を行きすぎたと言った。
阿良々木は区画整備のため道がわかりづらくなったのかと考えたが、どうやら違う様だ。
GPSナビを使い目的地へと向かおうとするが、通信が圏外になってしまった。
八九寺が重たく口を開く。
多分、無理だと思います。わたしはカタツムリの迷子だから――。

どうしても目的地にたどり着けない3人は、ついに忍野の力を借りることにした。
忍野の元へは、戦場ヶ原が向かうことになった。
場所を覚えているかと阿良々木は心配するが、その必要はない様だ。
むしろ、八九寺と二人きりになる方が、戦場ヶ原にとっては避けたいことらしい。

目的地は綱手と言う人物の家。
しかし八九寺の向かう先は母親の元。
八九寺は母親も親戚のうちでしょ、と寂しそうにつぶやいた。
綱手は母親の旧姓、八九寺は引き取られた父親の苗字だそうだ。

同情の眼差しを、八九寺に向ける阿良々木。
優しく差し伸べた手に、八九寺は千切れんばかりに噛みついた。
足掻く阿良々木だったがどうにも離れない。
堪り兼ねて彼は八九寺を殴り飛ばし、やっとの思いでその牙を引きはがしたのだった。

おっとりとした口調で、羽川が近づく。
彼女はそこで気を失っている八九寺に気付くと、名を尋ねた。
阿良々木が少女の名前を応える。
八九寺と言えば――。
お決まりのように博識な委員長は、何でもは知らないと謙遜するのだった。

目を覚ました八九寺に、羽川は自己紹介する。
開口一番、八九寺は彼女を拒絶するが、羽川は持ち前の雰囲気で完全にイニシアチブを握ってしまう。
ついには、阿良々木に対して謝罪させてしまうほど。
羽川は阿良々木にも、子供に手を上げる時はそれを納得させる理由が必要だと説き伏せるのだった。

八九寺の案内を申し出る羽川だが、戦場ヶ原に人を呼びに行ってもらっていると応える阿良々木。
その一言ですべてを察する羽川だった。
立ち去る羽川を呼び止め、阿良々木は綱手と言う家について聞いてみた。
一瞬の逡巡を経て、羽川は知らないと応える。

戦場ヶ原から電話が入る。
電話の主は忍野だった。
彼もまた、八九寺の名前を聞いた途端に反応した。

吸血鬼、羽川、戦場ヶ原と立て続けに怪異絡みの事件を解決したからと言って、自分のようなものが近くにいるケースなどほとんど無いのだと苦言を呈する忍野。
しかも、不審な男の元へ戦場ヶ原を一人で向かわせることにも、彼はぼやいていた。
電話は話しづらいと、彼は戦場ヶ原に解決法を託けると言って電話を切った。

ひとまず解決の糸口は掴めそうだ。
阿良々木は八九寺にそう伝えたが、電話の様子から伺うに、そうは聞こえなかったと彼女はぼやいた。

 

 


【化物語】第3話 感想|幼女、八九寺まよい登場

アニメ『化物語』第3話です。

 

アニメ『化物語』第3話|あらすじ・感想

巷は母の日。
ふらりとたどり着いた公園に自分以外の姿は無かった。
ふと、公園の入り口に大きなリュックサックを背負った少女を見かけるが、彼女もまたすぐに走り去ってしまう。
再び阿良々木は、一人になってしまった。

公園で暇をつぶしてると、いつもの毒舌と共に戦場ヶ原が現れた。
彼女の毒舌はともかく、阿良々木は戦場ヶ原の私服姿に見蕩れてしまう。
草冠の湯で『蕩』という文字にときめく戦場ヶ原に、阿良々木は唖然としてしまった。

話題を変えようと、阿良々木は以前と印象が変わった戦場ヶ原の私服姿を引き合いに出す。
彼女はこの私服を先日買ったばかりだと言い、最初に阿良々木に見てほしかった、と告白した。
阿良々木も、一番最初に見せたかった対象として見られていたことに感じ入るが、戦場ヶ原は見せたかったと見てほしかったではニュアンスが違うと憤る。

戦場ヶ原はセンチメンタルな表情で、以前この辺りに住んでいたことを告げる。
たった数年で区画整備により様変わりした一帯を、眺めて、哀愁に浸る彼女は、阿良々木の隣に腰かけた。

戦場ヶ原は改めて先日の件の礼を述べる。
彼女は阿良々木に恩を感じていると言ったが、堅苦しさがこれからの交友関係に響くと言わんばかりにはぐらかす。
それでも彼女は、阿良々木に対して礼を尽くすことで初めて対等な友達になれると食い下がったのだった。

戦場ヶ原は阿良々木に対するお礼について画策していた。
そのどれもが男のロマンをくすぐる提案だったことに対し、阿良々木は呆れて答える。
もしそれが実現したら、その後の友情はありえなくなる。

提案はしたものの、阿良々木からはそんな要求など寄越すはずもないと判っていた戦場ヶ原だった。
何故なら、彼は、――童貞だから。
涼しい顔で言い放つ戦場ヶ原もまた、自らを行き遅れのメンヘル処女と自虐した。

蛇足を踏んだが、戦場ヶ原は阿良々木の力になりたいと考えているのは本当だった。
阿良々木の口から出て来たのは、兄妹喧嘩だった。
母の日に家族で祝おうと考えていた妹たちと、家族の微妙な空気になれない阿良々木。
今朝早く家を抜け出そうとした彼は妹に掴まり口論になってしまったのだった。

それからマウンテンバイクで逃げるように駆け出したものの、家に帰れば妹たちと顔を合わせ気まずい思いをする。
家に帰るのをためらわれる自分の人間性の矮小さを痛感する阿良々木を、戦場ヶ原にはどうにもすることが出来ない。

自らを卑下する阿良々木を、戦場ヶ原は彼女なりの方法で元気づける。
彼の人間性を大吉を引き当てはしたものの内容がいまいちパッとしないおみくじの様だとか、シスコンと言うよりソロレート婚しそうだとか。

再び蛇足を踏むが、戦場ヶ原は阿良々木の人間性に関わること以外で困ったことを窺う。
彼女は次々と提案をしてゆく。
彼女が欲しい、とか――?
彼女の口から出た提案に、阿良々木は一瞬戸惑ったもののそれを受け入れなかった。
かわりに、今度ジュースでも奢ってくれと高楊枝をつつく。

その視線の先に、再び大きなリュックサックを背負った少女を見つける阿良々木。
怪異の名残で少女の名前を見つけ、戦場ヶ原にその読み方を聞いてみる。
彼女は見えないと一蹴した。それもそのはず、一般人にはこの距離で文字など判別できない。
阿良々木は漢字を伝え読み方を聞いた。

八九寺まよい――。
少女の名前は解ったものの、戦場ヶ原は子供が好きな人種ではなさそうだ。
意を決して阿良々木は彼女をその場に待たせ、八九寺の元へと駆け寄った。

話しかけた少女の第一声は、貴方のことが嫌いです、だった。
三度目の正直、阿良々木の攻撃で八九寺はようやく阿良々木に対して意識を向けた。
しかし小学生の頭を叩くような人がなれる力はまったくもって皆無だと、阿良々木は八九寺に論破されてしまう。

警戒を解くために、阿良々木は自分の名前を名乗る。
女の人のような名前だと罵倒されるが、眉根をひそめるだけで踏みとどまった。
しかし人畜無害だと主張するも、八九寺から人畜呼ばわりされてつい怒鳴ってしまう。

その場で泣き崩れる八九寺に、宥め賺す阿良々木。
ではなんとお呼びすれば――?
普通に呼べばいいと応える阿良々木だったが、八九寺から出だ言葉は第一声のリフレインだった。

頑なに阿良々木を拒絶する八九寺。
ついには掴み合いの取っ組み合いが始まってしまった。
小学生女子相手に本気で立ち向かい、高校生の阿良々木が勝利しないはずは無かった。
公園内に、阿良々木の高笑いが木霊する。

醒めた表情で、戦場ヶ原が近づいてきた。
阿良々木は必死で弁論する。
呆れながらも、彼女は状況を把握した。

阿良々木は戦場ヶ原が以前この近辺に住んでいたことを思い出す。
八九寺からメモを取り上げ、戦場ヶ原に差し出したが彼女は受け取ろうとしない。
観念してその住所を読み上げる阿良々木。

かくして戦場ヶ原の案内で目的の場所へ八九寺を案内することになった。
しかし、八九寺の表情は暗い。
私はカタツムリの迷子です――。
その言葉の真意を、阿良々木は掴み兼ねていた。

 

 


【化物語】第2話 感想|蟹、こわーーーー!

アニメ『化物語』第2話です。

 

アニメ『化物語』第2話|あらすじ・感想

羽川は戦場ヶ原の住む家は豪邸だと言っていたが、実際はそんなものとは程遠い住処だった。
戦場ヶ原曰く、母親がハマった宗教に貢いだ結果多額の借金を生み、今は父親とここで暮らしているという事だった。

忍野は二人を、いったん家に帰るよう告げた。
身支度を整え、もう一度ここに来るように指示する彼に、戦場ヶ原は謝礼について確認をした。
意外な問いかけに虚を突かれるが、忍野は10万円で手を打つ。
自分の時はそんなものでは済まなかったと阿良々木は文句を垂れたが、忍野は吸血鬼が相手だったからと切り返した。

シャワーから上がった戦場ヶ原は一糸纏わぬ姿で阿良々木の前に立っていた。
どうやら着替えを持たずにシャワーを浴びていたらしい。
せめてタオルで隠せと抗議する阿良々木だったが、貧乏くさいと彼女は断った。

清潔な服、と言われたものの――と彼女の呟くボヤキにいちいち反応してしまう阿良々木。
もういいと言われ促されるように向き直る阿良々木だったが、そこにはやはり挑発的な姿の彼女が座っていた。
彼女曰く、『お礼』だそうだ。

感想を求められたものの、阿良々木の答えに最低と見下す戦場ヶ原。
さらには童貞呼ばわりし始める彼女に抗議するが、口も上手だった。

心配しなくても、羽川には黙っておくという戦場ヶ原の気回しは、阿良々木と彼女の関係の誤解からだった。
阿良々木は羽川との関係性を弁解する。
羽川も、過去に忍野の世話になっていたことを改めて確認する戦場ヶ原。
阿良々木はそれもあって、一応忍野を信用してもいい人物だと言った。

一通り着替えを終えた戦場ヶ原は、過去の経験から、彼のことをおいそれと信用できないと呟く。
そして、髪を渇かすのを忘れていたと来ていた服を脱ぎ始めた。
その様子に、阿良々木は呆れて毒づく。

髪を渇かす間、戦場ヶ原の張りつめた気持ちを解そうとする阿良々木。
悪いことをしているわけではないし、ズルをしているわけでもないと宥める阿良々木だったが、戦場ヶ原はズルはしているかもと呟いた。

忍野の所で阿良々木が言っていた、月の模様みたいと言う言葉を改めて問う戦場ヶ原。
伝えられる土地により蟹や女性、神様と姿を変える件のオモシカニ。
彼は国によって月の模様が違って見える事が、本件と似ていると言ったのだった。

感心する戦場ヶ原だったが、それでも阿良々木の頭脳を高くは評価していない。
言葉の暴力だと抗議する阿良々木に、またも上手の発言で丸め込む。
着こんだ服を投げ出す彼女に、そろそろ疑念を抱いた阿良々木だったが、返ってきた返事にハッとする。
服が重い――。重みをなくした彼女にとっては、服を着るのも一苦労だった。

戦場ヶ原は阿良々木のことを意外に学があると言うが、頭の中に脳みそが詰まっているのかも――とやはり下手に見ている。
さらに自分のせいで阿良々木は頭のお粗末さ加減を自覚してしまったと、危惧している。
偏差値チェックにおいては偏差値46の阿良々木を四捨五入して0だと言ってのける。

すべてがうまくいったら、北海道へ蟹を食べに行きましょう――。
他人事のように返答する阿良々木だったが、戦場ヶ原は彼もいっしょに連れていくつもりだ。
真意を掴み兼ねる阿良々木に、彼女は答えた。
蟹って、とっても美味しいのよ――?

夜のとばりが完全に降りた街を抜け、二人は再び忍野の元を訪れる。
忍野は神前の正装を纏い、彼らを迎えた。
蟹を『退治』するものと思っていた阿良々木に、忍野は『お願い』するのだと訂正する。

神様は人間たちの区別などつかないし、無頓着だと、忍野は言った。
戦場ヶ原は、その神様は今もここにいるのか、と忍野に問う。
彼は、何処にでもいるが、ここに降りてきてもらうためには手順が必要だと答えた。

廃墟の一室で、注連縄を張り巡らせた場所に通し、忍野は頭を低くするよう二人に告げた。
形式的に、彼は戦場ヶ原の前に御神酒を差し出す。
忍野の声色が途端に落ち着きを伴い戦場ヶ原を促した。

押野の質問に、一つずつ淡々と答えて行く戦場ヶ原。
最後の質問で、彼女は口をつぐむ。
一つ一つ、言葉をかみしめるように、彼女は母親が宗教にハマったこと、その宗教の幹部が自分に乱暴を働いたことを告白する。

彼女への乱暴は未遂に終わった。
しかし、その一件で母親はペナルティを背負ってしまう。
戦場ヶ原は、もし自分があの時拒絶しなければ、と考えずにはいられなかった。

受け入れ難い事実と、自分の思い。
忍野は戦場ヶ原に、目を開けて『それ』を見るよう促した。
そこには――あの時行き会った蟹がいた。

激しく狼狽える戦場ヶ原だったが、忍野と阿良々木にその姿は見えてはいなかった。
その姿は、戦場ヶ原にしか見えてはいなかったのだった。
忍野の促しに、彼女が口を開きかける。
途端、その蟹は彼女めがけて突進し、壁際へと押しやった。

このままでは戦場ヶ原が危ない。
忍野は見えないはずの蟹の腕を一本、掴み背負い投げた。
すかさず、足で胴体を踏みつけ、動きを封じる。

言葉が通じないなら、実力行使しかない。
結局のところ、形式上は解決する。それに、と忍野は言葉をつづけた。
僕は蟹が嫌いなんだ――。

そんな忍野を、戦場ヶ原が制止した。
忍野はそこで、彼女に任せる。
彼女は地面に座り、頭を付いた。
彼女の必至の懇願に応えるかのように、蟹は姿を消す。

泣き崩れる戦場ヶ原の傍で、忍野はオモシカニの由来を阿良々木に告げる。
思い、しがらみ――。
彼女はその蟹に行き会ったことで、母に対する思いやしがらみの一切を手放したのだった。

今更取り戻しても、壊れたものは直せないと忍野は言うが、それでも彼女は取り戻したかったのだ。
懐かしい母親との記憶そのものを。

無駄ではない、と落ち着きを取り戻した戦場ヶ原は呟く。
この一件で、友達が増えたのだから――。
ここにきて戦場ヶ原が阿良々木にデレたのだった。

一夜明けて、寝不足の阿良々木を妹二人がたたき起こす。
やけに体のだるさを感じた阿良々木の体重は――増えていた。
そう、戦場ヶ原の無くした重さ分。
神様は確かに大雑把なようだ。

 


【化物語】第1話 感想|戦場ヶ原ってすごい名前だな!

アニメ『化物語』第1話です。

 

アニメ『化物語』第1話|あらすじ・感想

空から降ってきた少女を、阿良々木暦は避けるよりもとっさに抱き留めた。
彼女・戦場ヶ原にはおよそ体重と呼べるものが、無かった――。

放課後、阿良々木は委員長・羽川つばさと共に文化祭の計画を練っていた。
昨年の出し物を参考に、羽川はアイデアをノートに書き留めていく。

おもむろに、阿良々木は戦場ヶ原について羽川に問うてみた。
意外な人物の名前が阿良々木の口から出て来たことを訝るが、彼はその真意をはぐらかしていく。
はぐらかしたことにさえ、持ち前の知識量で答えて行く羽川に、阿良々木は感服するばかりだった。
彼女は平然として、なんでもは知らない、知っている事だけ――と応えるのだった。

阿良々木が他人に興味を持ったことを、羽川は意外に感じる。
病気がちな女の子に憧れる男子は多いと、彼女は皮肉るが、戦場ヶ原の軽さは――果たして病気と言えるのだろうか?

5・戦場ヶ原の人物像について、詳しく伺う阿良々木だったが、羽川は3年連続で同じクラスだった阿良々木の方が詳しいのではと答える。
その答えに口をつぐむ阿良々木に、羽川はため息とともに逡巡したあと答えた。
何の問題もない、優等生だよ――。

ただ、同じクラスになってまだ1ヶ月ほど、それほど良くは知らない――。
と言うのが、羽川の回答だった。
ただ、中学生の頃はもっと元気で明るい娘だったという。

陸上部のスターだったという彼女は家庭も裕福であり、それを鼻にかけることも無く人当たりが良いと評判だった。
しかし、羽川は語気を弱めて躊躇いがちに言葉をつづける。
戦場ヶ原は以前よりも、存在が儚げな今の方がずっと綺麗――。

するりと手から滑り落ちたシャープペンの音をきっかけに、阿良々木は忍野との約束があると立ち上がった。
埋め合わせをするなら今日は良い、と物分かりがいい風に羽川は荒阿木を促した。

教室を出たとたん、背後から聴き慣れない声が聞こえて来た。
振り返るとそこには戦場ヶ原が待ち構えていたのだった。
阿良々木の口元に、固く、冷たい感触の物体が差し込まれる。

口内に刃物を宛がわれ、阿良々木は身動きできずにいた。
戦場ヶ原は床に落ちていたバナナの皮に足をすくわれ、転落したという。
彼女の体重はおよそ5㎏。
高校に上がる前に、1匹の蟹に出会い根こそぎ体重を奪われたと告白した。

彼女は阿良々木に、沈黙と無関心を求めた。
彼は指示された通り、彼女に合図を送る。
口に差し込まれたカッターが引き抜かれ、静かに刃が納められる。
しかし、もう一方のホチキスは、その芯が彼の口中を抉った。

阿良々木の反論を認めず、ひとしきりのことを伝えた後、彼女はその場を去った。
阿良々木は立ち上がり、穿たれた芯を引き抜く。

羽川は扉を開けた先に阿良々木がいることに驚く。
阿良々木は羽川に、バナナは好きかと尋ねた。
どちらかと言えば好きと答えた彼女に、半ば逆切れの様に捨て台詞を吐き、阿良々木は走り去って行った。

階段の踊り場で、戦場ヶ原は追いかけて来た阿良々木に呆れた。
忠告を聞かなかったと捉えた彼女はありったけの文具を両手に構える。
慌ててそれを制止する阿良々木に、彼女は優しさも敵対行為とみなす、と突き放した。

とっさに阿良々木は先ほどホチキスで穿たれた口内を見せる。
そこに、傷跡は無かった。

力になってくれる人物は忍野メメという者だった。
阿良々木自身も吸血鬼の怪異に出会った際、人間に戻ることが出来たという。
先ほどの驚異的な回復力は、不死身だった頃の後遺症だった。

忍野のキャラクター性に想いを馳せる戦場ヶ原を窘めながら、阿良々木の漕ぐ自転車はついに彼の根城へとたどり着いた。
ここで阿良々木は戦場ヶ原が鞄を所持していないことに気付く。
教科書は学校に置きっぱなし、文具は体中に仕込んでいる――。
両手が塞がっていると、いざという時に戦いにくいと、戦場ヶ原は答えた。

阿良々木は一応恩人でもある忍野に、危険人物を引き合わせるわけにはいかないと言った。
そこで、戦場ヶ原の所持する文具をすべて預かると告げる。
彼女は静かにそれを了承し、体のそこかしこから仕込んだ文具を取り出した。

1分おきに自分からの連絡が無ければ、5千人の仲間が阿良々木の家族を襲うことになっている。
どこまで本気なのかわからない発言に、阿良々木は呆れながらもそれを窘める。
そう、彼女は既に、阿良々木の家族構成までをも把握していたのだ。

忍野の元へと向かう間、戦場ヶ原は阿良々木に不死身について問うてみた。
彼はもう不死身ではなく、傷の治りが少し早いだけ、と答えた。

全体的に被害妄想の強い戦場ヶ原は、廃墟に住まうこれから出会うべき人物への不安を募らせていたようだった。
かくしてその人物は、対面するなり軽い口調で二人を迎える。

戦場ヶ原は、忍野に紹介する際の阿良々木の呼び方に不満を訴える。
ひとしきり茶番のようなやり取りを終え、彼女はその部屋の片隅に小さく丸まった少女を指した。
阿良々木が気にするなと言うと、忍野は早速先日その少女に名前を付けたと告げる。
少女の名前は、忍野忍。吸血鬼の成れの果て、美しき鬼の、搾りかす。

戦場ヶ原の問いかけに、押野は答える。
助けるんじゃない、君が勝手に助かるだけだ――。
その言葉を受けて、彼女の目つきが変わった。
過去に沿う言葉を投げ掛けて来たものは詐欺師だったのだ。

戦場ヶ原はこれまでのいきさつを伝えた。
話の一通りを聴き、忍野の口から出た怪異の名は――オモシカニ。
九州の伝承に出てくる神の名だった。

忍野曰く、その状況が作り出されれば、発祥は関係ないという事だった。
その姿も、伝承によれば様々だという。
阿良々木は感心して、月の様だ、と呟いた。

話の焦点がまとまり切らない苛立ちに、戦場ヶ原はどうでもいいと言い捨てる。
忍野は名前は重要だと反論した。
出会ったのが神様なら、戦場ヶ原は運のいい方だ。

付け加えるように、忍野は戦場ヶ原に言い聞かせた。
何かのせいでそうなったのではなく、視点が変わっただけ。
オモシカニに遭うような者は、たいてい被害者意識が強い。

神様はどこにでもいて、本来触るようなものでもない。
つまり、戦場ヶ原が何かを望むことが無い限り、神様は干渉してこないのだ。
忍野は一通りの講釈を垂れた後、戦場ヶ原の体重を取り戻すことに協力すると言った。

 

【参考サイト】AB夫(えびお)のシコウサクゴ


映画『万引き家族』あらすじ、キャスト、作品情報

あらすじ

東京の下町に暮らす日雇い労働者の柴田治とクリーニング店で働く治の妻・信代には、夫妻の息子という祥太、JKリフレ店で働く信代の妹という亜紀、そして治の母という初枝が家族として同居していた。家族は治と信代の給料に加え、初枝の年金と、治と祥太が親子で手がける万引きで生計を立てていた[注 1]。しかし初枝は表向きは独居老人ということになっており、同居人の存在自体が秘密だった。5人は社会の底辺で暮らしながらも、いつも笑顔が絶えなかった。
ある冬の日、治は近所の団地の1階にあるバルコニー状の外廊下で、ひとりの幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねて連れて帰る。夕食後、「ゆり」と名乗るその少女を家へ帰しに行った治と信代は、家の中から子どもをめぐる諍いの声を聞く。結局「ゆり」は再度柴田家に戻された。体中の傷跡など「ゆり」に児童虐待の疑いがあることを見つけた信代は彼女と同居を続けることを決め、「誘拐ではないか」という亜紀[注 2]に対して「脅迫も身代金の要求もしていないからこれは誘拐ではなく保護だ」と主張、「ゆり」は柴田家の6人目の家族となった。その矢先、治は職場で負傷して仕事ができなくなる。あてにした労災は下りなかった。連れ帰ってから2ヶ月経っても「ゆり」に捜索願が出た形跡はなかったが、やがてテレビで失踪事件として報じられるところとなって[注 3]、柴田家の一同は彼女の本当の名前が「北条じゅり」であることを知る。一家は発覚を遅らせるべく「ゆり」の髪を切って「りん」という呼び名を与え、祥太の妹ということにした。回復した治は仕事に戻ることなく、祥太との万引きを「りん」に手伝わせる。
柴田家の面々は表向きは普通の家族として暮らしながら、治と祥太の万引き以外にも、初枝はパチンコ店で他の客のドル箱を大胆にネコババし、祥太は「りん」を連れて近所の駄菓子屋で万引きを働き、信代はクリーニング店で衣服のポケットから見つけたアクセサリーなどをこっそり持ち帰るなど、亜紀を除く全員がなんらかの不正や犯罪に手を染めていた。一方、「りん」と柴田家の絆は次第に深まっていった。
夏を迎える頃、祥太はいつもの駄菓子屋で「りん」に万引きをさせたところ、年老いた店主からお菓子を与えられ「妹にはさせるなよ」という言葉をかけられた。そんな折、信代は勤め先から自分と同僚のどちらかの退職を迫られ、同僚との話し合いで「行方不明になっている女児(「りん」のこと)を連れているのを見た」と脅されて退職を余儀なくされる。一方初枝は前夫(作中では故人)が後妻との間にもうけた息子夫婦が住む家を訪れ、前夫の月命日の供養ついでに慰謝料などの名目で金を無心していた。実は亜紀はこの息子夫婦の娘で、さやかという妹もいるが[注 4]、家を出た亜紀を初枝は引き取っていた。しかし初枝と亜紀の両親の間では彼女はオーストラリアに留学中ということになっており、都内で同居していることを初枝は両親に隠していた。その頃、亜紀はJKリフレの常連客である「4番さん」とひそかに心を通わせていた。
夏になり、一家は海水浴に出かけ団欒を満喫する。しかし、それからまもなくして初枝は自宅で急逝。治と信代は自宅敷地内に初枝の遺体を埋め、「最初からいなかった」ことにした。信代は死亡した初枝の年金を不正に引き出す。家の中から初枝のへそくりを見つけだして大喜びする治と信代を、祥太は無言で見つめていた。祥太は治から「店の商品は、誰のものでもない(から取っても構わない)」と教えられていた。だが、治の車上荒らしに同行した際に、「これは誰かのものではないの」と尋ね、積極的に手伝おうとしなかった。少しのち、祥太は「りん」と駄菓子屋に行ったが、「忌中」の紙が貼られ、閉店していた。やむなく祥太は別のスーパーマーケットに入店したところ、「りん」が見様見真似で万引きを働こうとしたため、わざと派手にミカンを盗み、店員の追跡をかわそうとするもアンダーパスに飛び降りた際に足を負傷、入院する。
これをきっかけに柴田家4人は祥太を捨て置き逃げようとしたところを警察に捕まり、「りん」は本来の親の元に戻され、それ以外の3人は取り調べを受けた。入院中の祥太も警察官に事情を聴取され、その際に他の家族が逃げようとしたことを伝えられる。取り調べの中で、治と信代は過去に殺人を犯していた[注 5]こと、治は初枝の実際の息子ではなく前述の事情を抱えた彼を同居人として息子同然に迎え入れていたこと、祥太は治や信代に連れてこられたこと、治・信代・祥太らの名前は本名ではない[注 6]ことなどが明らかになる(つまり、”柴田家”は全員が血縁関係にない疑似家族であった)。信代は一家が抱えた犯罪はすべて自分の犯行として刑に服し、祥太は施設に入り、治は一人暮らしとなった。かつての自宅を訪れた亜紀は、もぬけの殻となった屋内をしばし眺めていた[注 7]。
治が「りん」=「ゆり」=「じゅり」を保護してから約1年後、学校に通うようになった祥太はテストでも優秀な成績を残し、釣りの知識も身に着けるなどたくましく成長していた。治は信代の依頼で祥太を連れて刑務所に面会に行く。面会の場で信代は祥太に、治が松戸市にあるパチンコ店の駐車場で車上荒らしをしようとした際に連れてきたことをその自動車の情報を交えて伝え、情報を手掛かりに「その気になれば本当の両親に会える」と話す。その夜、祥太は治の家に泊まり、自分を置いて逃げようとしたことの真偽を治に問うと、治はそれを認めて「おじさんに戻る」と答えた。翌朝、祥太はバス停での別れ際に「自分はわざと捕まった」と治に話す。一方、「じゅり」は元の家族に戻されたことで以前と同様に虐待の被害者となり、治に発見されたときと同じ外廊下でただ遠くを眺めているのだった。

 

キャスト

柴田治:リリー・フランキー
東京の下町に暮らす日雇い労働者。
柴田信代:安藤サクラ
治の妻。クリーニング店工場のパート従業員。
柴田亜紀:松岡茉優
信代の妹。JKリフレ店に勤務し「さやか」という源氏名を使用している。
柴田祥太:城桧吏
治の息子。学校には通っておらず治とタッグを組んで万引きをしている。愛読書はスイミー。
ゆり(りん、北条じゅり):佐々木みゆ
治が柴田家に連れて帰ってきた少女。両親からはネグレクトなどの児童虐待を受けている。
柴田初枝:樹木希林
治の母。年金受給者である。夫とはすでに離婚している。
4番さん:池松壮亮
亜紀が勤務するJKリフレ店の常連客。亜紀とは筆談でコミュニケーションをとっている。手の指に傷跡があり、亜紀は「自分で自分を殴ったときのもの」と解した。
柴田譲:緒形直人
亜紀の本当の父親。
柴田葉子:森口瑤子
亜紀の本当の母親。
柴田さやか:蒔田彩珠
亜紀の本当の妹。高校2年生。
北条保:山田裕貴
ゆりの父。希とゆりに対しDVを働いている。
北条希:片山萌美
ゆりの母。保からDVを受ける一方でゆりに対しネグレクトをしている。
山戸頼次:柄本明
柴田家の近隣にある駄菓子屋の店主。
前園巧:高良健吾
警察官。
宮部希衣:池脇千鶴
警察官。

 

作品情報

タイトル 万引き家族
原題 SHOPLIFTERS
製作年度 2018年
上映時間 120分
製作国
日本
ジャンル
ドラマ
監督
是枝裕和
脚本
是枝裕和
音楽
細野晴臣